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No.56

やり竜7部/第4話

こういうネタ、たまにはやらないといけない気になるのなんででしょうか。
以下は野暮な解説。


竜宿は移動目的の旅行者向けです。着想は登山者の皆さんが使う山小屋から。怪談ものとして読み始めたのに安曇潤平先生著『山の霊異記』がめちゃくちゃ参考になったことを書き添えておきます。あとゼルダの馬宿。あの世界、街がないうえ「ここどこ??」が発生しがちなので、馬宿見つけると人心地ついてめっちゃ安心する……特にラーヴェは竜が飛ぶ以上、陸地の街道以外にも空路らしき概念があるんだろうなと思って(あの山の上は飛びにくいとかそういうの)、街以外にも旅には宿泊施設がいるだろうと設定しました。
2巻冒頭帝都に帰ろうとしたときや、5巻冒頭で帝都→レールザッツ(あのとき国境越えは海路でいったはず)の移動で出てこなかったのは、旅路自体省略してたのもありますが(柚先生が絵で描いてくださったのめっちゃファンタジーっぽくて素敵だった!)、そもそも竜宿を使ってないからです。ハディスがジルを喜ばせたくて基本、街に泊まるようにしてたんじゃないかなあって(街にもちゃんと竜を預かる場所が普通にあります何せラーヴェ帝国なので)。
あとは削除してしまった気がするんですが、さっきも説明したように着想が山小屋なので、基本二段ベットで八人くらいで泊まる相部屋なんですよ。つまりハディスは野宿を選ぶ、おわかりいただけるだろうか。
何より竜宿は当然竜がいっぱいいるので、そこへ竜神と竜帝が現れると「コンサート会場横のホテルに推しも泊まりに来た」みたいな感じでそりゃあもう面倒ですよ絶対。なので近寄らないようにしてたんじゃないかなあと思ったり。ラーヴェ様がファンサで疲れちゃう。

そういうわけで今回はせっかくジルひとりで、しかも自分の騎竜ができた!って状況なので、ちょっと陛下が一緒だとできない旅行をしてもらいました。陛下がよく許したねって感じだけれど、マイネで行くことといいジルが希望したんでしょうね。そして陛下は基本、ジルの自由にさせてくれる。

「レールザッツでクレイトス女王と会談☆間に合わない?開戦かもね!」
「でも竜妃はひとりで竜に乗る旅はなんと初めて!」
「なお、竜妃の騎竜は訓練されてません!」
「その護衛をしろ」

命令された護衛団の方々の胃の状態が心配ですね!
フィンくん、最初は名無しのモブキャラだったんですが、書いたらけっこう喋る量があったので、ついでにジルの護衛代表で動いてもらおうとネームドに昇格しました。
フィンくん書くたびにミハリくんに思いを馳せてしまう。元気かなあ(彼は北方師団所属のまま頑張ってます)。

護衛団の胃痛はジルもわかってそうですが、それはそれこれはこれで、竜宿、へーこんなんなんだ!ってうっきうきで見て回ったり楽しんでるとは思います。
一階に洗濯場や炊事場、食堂の共用施設(あいてれば好きに使っていい)他には宿の主人一家の住まいがあって、二階が相部屋だらけの宿泊部屋。今回泊まった竜宿にはひとつだけ個室の宿泊部屋があるって設定ですが、そこはめっちゃお高い(ちなみにジルはみんなに頼むからと頭をさげられてその部屋に泊まってます)。
混んでる場合やお金を節約したいときは竜宿の敷地内で天幕を張ってもOK。天幕はって、食材自分持ちで炊事場使わせてもらって料理作れば一番安上がり。

ちなみに今回のジルの旅は、ジル・ジーク・カミラ・ロルフ含めて10人くらいの設定です。
文官とかはイゴールおじいちゃんがレールザッツで用意してくれてるので、ほんとにジルをレールザッツへ無事運ぶための少数精鋭部隊。
そもそも今回レールザッツが会談場所に選ばれたのは、クレイトスの窓口として一番でかいのと(ベイルブルグは二番手)、女王と渡り合うかつジルの補佐をするのに、三公の中でいちばんイゴールが適任と判断されたからです。ベイルブルグも今はリステアードがいるし候補としてはありなんですけど、やっぱり女王を迎えるとなると経験と格式がものを言う。
イゴールおじいちゃん、ものすごい大役(竜妃の補佐ということになってるけど実質クレイトスとやり取りするのは自分)なので、張り切って準備してると思います。

畳む


ジル、陛下に再会したら「竜宿ってこんなんでしたよ!陛下知ってる?」って話すの楽しみにしてるんじゃないかな。
陛下知らないよ、たぶん。話してあげて。


#やり竜

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