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No.36
『悪役令嬢なので竜帝陛下が誘拐中(4)』
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「ところでどうしてこの組み合わせなんだ?」
廊下をてくてく歩きがてら尋ねたクロードに、ジルがああと声をあげた。
「わたしはなんとなくわかります。まず、わたしが奥様をさらうとしますよね」
「君がアイリーンをさらうのか? アイリーンが君をさらうんじゃなく?」
「わたしが、でしょう。そのほうが絵になります! 奥様、美人でしたし!」
「確かに僕の妻は美人だが……」
そういうジルはどこからどう見ても幼く可愛い女の子である。さきほど扉を拳で叩き壊したことを考慮すると言っていることはわかるが、それでも頷いていいのか微妙なところだ。
「そうすると陛下とクロード様が力ずくでくるのでイベントになりませんよね」
「なるほど、戦力的な問題か」
「そうです。わたしとしては魔王と竜帝をいっぺんに相手にできるなんてまたとない機会、訓練をかねてぜひやってみたいですが」
「よしわかった、それは却下でいい」
本気で襲いかかってくる幼女を想像して、すぐさま打ち消した。
「では逆に、陛下とクロード様がさらわれるとします。どっちがどっちをさらうのかわかりませんが、多分クロード様が魔王なので陛下をさらうと思うんですけど」
「まあ、そうだな」
「その場合もわたしは陛下誘拐時の訓練とみなして本気で魔王に挑むことになり」
「わかった、それも却下だ」
二度目の本気で襲いかかってくる幼女を想像して、やっぱり打ち消した。
「他にも夫婦で組み合わせると、どちらの立場でも緊張感にかけます。となると次は今と逆、わたしがクロード様にさらわれれることになると思います。逆でもいいですが」
「いや、僕がさらうことにしよう」
でないと三度目の本気の幼女が妻と竜帝に襲いかかることになる。竜帝はどうなってもいいが、妻が立ち向かう姿を想像するとクロードも頭が痛い。
「では、わたしがクロード様にさらわれたと想定します。それだと陛下、張り切ると思うんですよね、無駄に」
「アイリーンも無駄に張り切るだろうな……収拾がつかないわけか」
「そうなると思います。あと状況も今の組み合わせがいちばん、話が進みやすいんです」
アイリーンがさらわれば当然クロードは助けにいく。
ジルは馬鹿なことをしでかす夫を止めにいく。
「なるほど……だが、竜帝が僕をさらった場合はどうなるんだ」
「それは絶対にクロード様はヒロインではないというメタ的な何かで絶許だとうかがいました。それだけが唯一守ってきた砦だとか」
「そういえば僕は敵に誘拐だけはされてないな……でも竜帝はいいのか、さらわれて?」
「陛下はいつかそのうち絶対にさらわれますので、予行演習かと」
「確定なのか」
「確定です」
力強く頷き返された。そこに迷いはない。
「そうなると、この組み合わせの場合、最後はどうなるんだ? 僕が竜帝と戦うんだろうか」
「クロード様はアイリーン様の安全を確保なさってください。陛下はわたしが止めます」
ばきばき指が鳴る音にクロードは気づかないふりをして、ようやく見えてきた三つ目の扉を見あげる。
また魔力で書かれた文字だ。だが今度は見知らぬ筆跡だった。
「これが最後か。今度こそまともならいいが」
「えーっと。『クイズ! 正解すれば扉は開きます』――まともですね?」
「問題もまあ、まともだ。『クッキーを作ったとき、しっかりした歯ごたえのものができるのはどっち? 1.薄力粉 2.強力粉』」
「絶対、陛下ですね出題者。クロード様、答えはわかりますか?」
「わからないな、僕は。君は?」
「申し訳ありません、わたしもちょっと……」
いきなり困ってしまった。だが正解は二分の一である。
「とりあえずどっちか選べばいいんじゃないのか? 間違った場合はどうなるんだ」
「あ、はい。注意書きがありますね……『作者権限で正解する以外に扉を開ける方法は皆無。何度も挑戦可能。ただし不正解のたびに魔王は一枚ずつ脱ぐこと』」
「なぜそんな仕様にした!?」
叫んだクロードに答える声は当然、ない。
その頃の悪役竜帝と悪役令嬢は。
「なるほど、そちらには色んなことがあったんだな……」
「ええ、ええ、そうですの。おわかりになられる? 詳しくはこのコミックと原作書籍をお読みになって、予習なさるとよろしいわ。何かのお役に立つかもしれません」
「読ませていただこう。お礼と言ってはなんだが、こちらのほうもURL(
https://ncode.syosetu.com/n6484fv/
)だけでも」
「大丈夫です、わたくし存じあげておりますわ。連載追いかけてましたもの!」
「そうなのか。僕は君達が連載してるころまだ産まれてなくて……ただ君達のすごさはいやというほど知っている」
「あら、どのように?」
「作者が連載中の僕らのPVと連載が終わっている君達のPVを見比べて『ジャンル別とはいえ日間ランキングにのってるのにラスボスのほうがPVが上ってどういう……?』と頭を抱えていた」
「でも、ポイントの追い上げ方はそちらのほうがすさまじいですわ。わたくし達が5万ポイントこえた頃ってもう書籍化したあとだったと思いますわよ」
などと、ダイマをかねたなろう分析お茶会をしながらこの状況を忘れ始めていた。
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#悪ラス
#やり竜
2019年プライベッター初出
「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」×「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中」
年末年始特別クロスオーバーSS その4
小説
2024/4/4
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「わたしはなんとなくわかります。まず、わたしが奥様をさらうとしますよね」
「君がアイリーンをさらうのか? アイリーンが君をさらうんじゃなく?」
「わたしが、でしょう。そのほうが絵になります! 奥様、美人でしたし!」
「確かに僕の妻は美人だが……」
そういうジルはどこからどう見ても幼く可愛い女の子である。さきほど扉を拳で叩き壊したことを考慮すると言っていることはわかるが、それでも頷いていいのか微妙なところだ。
「そうすると陛下とクロード様が力ずくでくるのでイベントになりませんよね」
「なるほど、戦力的な問題か」
「そうです。わたしとしては魔王と竜帝をいっぺんに相手にできるなんてまたとない機会、訓練をかねてぜひやってみたいですが」
「よしわかった、それは却下でいい」
本気で襲いかかってくる幼女を想像して、すぐさま打ち消した。
「では逆に、陛下とクロード様がさらわれるとします。どっちがどっちをさらうのかわかりませんが、多分クロード様が魔王なので陛下をさらうと思うんですけど」
「まあ、そうだな」
「その場合もわたしは陛下誘拐時の訓練とみなして本気で魔王に挑むことになり」
「わかった、それも却下だ」
二度目の本気で襲いかかってくる幼女を想像して、やっぱり打ち消した。
「他にも夫婦で組み合わせると、どちらの立場でも緊張感にかけます。となると次は今と逆、わたしがクロード様にさらわれれることになると思います。逆でもいいですが」
「いや、僕がさらうことにしよう」
でないと三度目の本気の幼女が妻と竜帝に襲いかかることになる。竜帝はどうなってもいいが、妻が立ち向かう姿を想像するとクロードも頭が痛い。
「では、わたしがクロード様にさらわれたと想定します。それだと陛下、張り切ると思うんですよね、無駄に」
「アイリーンも無駄に張り切るだろうな……収拾がつかないわけか」
「そうなると思います。あと状況も今の組み合わせがいちばん、話が進みやすいんです」
アイリーンがさらわれば当然クロードは助けにいく。
ジルは馬鹿なことをしでかす夫を止めにいく。
「なるほど……だが、竜帝が僕をさらった場合はどうなるんだ」
「それは絶対にクロード様はヒロインではないというメタ的な何かで絶許だとうかがいました。それだけが唯一守ってきた砦だとか」
「そういえば僕は敵に誘拐だけはされてないな……でも竜帝はいいのか、さらわれて?」
「陛下はいつかそのうち絶対にさらわれますので、予行演習かと」
「確定なのか」
「確定です」
力強く頷き返された。そこに迷いはない。
「そうなると、この組み合わせの場合、最後はどうなるんだ? 僕が竜帝と戦うんだろうか」
「クロード様はアイリーン様の安全を確保なさってください。陛下はわたしが止めます」
ばきばき指が鳴る音にクロードは気づかないふりをして、ようやく見えてきた三つ目の扉を見あげる。
また魔力で書かれた文字だ。だが今度は見知らぬ筆跡だった。
「これが最後か。今度こそまともならいいが」
「えーっと。『クイズ! 正解すれば扉は開きます』――まともですね?」
「問題もまあ、まともだ。『クッキーを作ったとき、しっかりした歯ごたえのものができるのはどっち? 1.薄力粉 2.強力粉』」
「絶対、陛下ですね出題者。クロード様、答えはわかりますか?」
「わからないな、僕は。君は?」
「申し訳ありません、わたしもちょっと……」
いきなり困ってしまった。だが正解は二分の一である。
「とりあえずどっちか選べばいいんじゃないのか? 間違った場合はどうなるんだ」
「あ、はい。注意書きがありますね……『作者権限で正解する以外に扉を開ける方法は皆無。何度も挑戦可能。ただし不正解のたびに魔王は一枚ずつ脱ぐこと』」
「なぜそんな仕様にした!?」
叫んだクロードに答える声は当然、ない。
その頃の悪役竜帝と悪役令嬢は。
「なるほど、そちらには色んなことがあったんだな……」
「ええ、ええ、そうですの。おわかりになられる? 詳しくはこのコミックと原作書籍をお読みになって、予習なさるとよろしいわ。何かのお役に立つかもしれません」
「読ませていただこう。お礼と言ってはなんだが、こちらのほうもURL(https://ncode.syosetu.com/n6484fv/)だけでも」
「大丈夫です、わたくし存じあげておりますわ。連載追いかけてましたもの!」
「そうなのか。僕は君達が連載してるころまだ産まれてなくて……ただ君達のすごさはいやというほど知っている」
「あら、どのように?」
「作者が連載中の僕らのPVと連載が終わっている君達のPVを見比べて『ジャンル別とはいえ日間ランキングにのってるのにラスボスのほうがPVが上ってどういう……?』と頭を抱えていた」
「でも、ポイントの追い上げ方はそちらのほうがすさまじいですわ。わたくし達が5万ポイントこえた頃ってもう書籍化したあとだったと思いますわよ」
などと、ダイマをかねたなろう分析お茶会をしながらこの状況を忘れ始めていた。
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#悪ラス #やり竜
2019年プライベッター初出
「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」×「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中」
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